こんにちは。カウンセラーの藤原です。
ラグビーが盛り上がっていますね。私自身は数年前からのラグビーファンで、今回のワールドカップもスタジアムに足を運んだりして大いに楽しんでいます。
でも、少し前まではラグビーの面白さがよくわかりませんでした。今までの私の頭の中にあった「球技」というもののイメージにしっくりこなかったからです。
選手が密集している足元にポツンとボールが落ちているのに、なぜ誰もさっさと拾って走り出さないのか?相手のバックスにボールを奪われるだけなのに、どうしてみすみすキックしてしまうのか?というようなことが腑に落ちず、観戦していてもモヤモヤするばかりでした。ボールをキープしてなるべく前に運ぶということが球技の基本的枠組みだと思っていた私にとって、当初ラグビーは謎だらけのスポーツでした。スタジアムに行っても、自分にはさっぱりわからないタイミングで皆が歓声を上げたりため息をついたりしているのを聞いていると、つまらなさを通り越して孤独感すらおぼえたものです。
このように、自分がこれまで見聞きしたことでは理解が追いつかないような新しいことに接したときの「何がわからないかすらわからない」という状態は、なかなかもどかしく辛いものだと思います。
たとえばこれが講義なら、教師が適切な問いを発し、学生がディスカッションしながら理解を深めていくとか、教師が体系的な知識を教え授けてくれるというやり方で新しい知識や枠組みが初学者にもうまく身につくようにデザインされています。
しかし大学に入って時間がたつと、皆さんには自発的な学習が期待される機会も増えてきます。かといって、今は大抵のことを検索で調べることができるとはいえ、何がわからないかがわからない状態では検索ワードすら思いつかないことでしょう。
そんなとき、皆さんは「まずは自分できちんと考えたり調べたりしてから人に質問するものだ」と思いこんでいないでしょうか。でも、新しいことを学ぶ方法はそれだけではありません。せっかく大学に籍を置いているのですから、どうぞ一人で抱え込まずにいろいろな方法を試してみてください。
私の場合はラグビー経験者の家族にわからないことをどんどん聞き、これまでに見たことがある球技とラグビーがどんなふうに違っているのかについて少しずつ理解を深めました。そして「この場面ならレフェリーはこう判定するだろうな」「この場面ならこの戦略で行くだろうな」という推測と確認を試してみて、推測どおりではなかった時はまた家族に尋ねるということを繰り返すうちに少しずつラグビーがおもしろくなってきました。
新学期が始まってしばらく経ちましたが、新しい内容の講義や実習を楽しめていますか?もし行き詰まっているように感じた時は、どうぞ気軽にいらしてみてください。学習分野に関して私達は専門外かもしれませんが、皆さんに合った「学び方」を一緒に考えることならお手伝いできます。