平常心

2017.06.27

こんにちは、カウンセラーの慶野です。

将棋界が、何だかすごいことになっていますね。梅雨の憂鬱さを吹き飛ばしてくれそうで、ミーハーだなあと思いつつ、ついニュースをチェックしてしまっています。

私は将棋をほとんど知らないので、技術的なことはよくわからないのですが、大勢から注目される大一番で、落ち着いて実力を発揮できるというのは、本当に素晴らしいことだと思います。もし私だったら、不安と緊張で不眠症になるに違いありません。(そもそもそんなふうではトップにはなれない、と言われそうですが)

実際、私たちの脳は、「何かを考えないようにする」ことが苦手です。ウェグナーという心理学者の行った、シロクマ実験の話を聞いたことがある人もいるかもしれません。実験に参加した人たちにシロクマの映像を見せ、3つのグループに分けて、「シロクマのことを覚えておいてください」、「考えても考えなくてもいいです」、「シロクマのことだけは絶対に考えないでください」とお願いします。そうすると、一定期間をおいた後、もっともシロクマの映像について覚えていたのは、「絶対に考えないでください」とお願いされたグループだった、というのです。

要は、「自分がシロクマについて考えていないかどうか」をチェックする過程で、既にシロクマのことを頭の片隅においていることになる、というわけです。

普段の生活でも、考えても仕方ないと思っていてもつい繰り返し心配事について考えてしまったり、忘れたい記憶がなかなか忘れられないことって、よくありますよね。出来事の重大さなどにもよりますが、「考えないようにすることで、逆に頭にこびりついてしまっている」という側面も、あるのかもしれません。

そういうときは、その出来事を考えてしまっている自分を受け入れてみる、というのもひとつの手です。心理療法のテクニックの中に、マインドフルネスというものがあります。最近ビジネス本などでも紹介されているのですが、自分に起こる考えや気持ちを、ありのまま気づき、受け止め、味わい、手放す、という心の状態の実践です。これによって、嫌な出来事が消えてなくなるわけではないのですが、心配の気持ちに圧倒される、動揺している自分を責める、といったことからは、距離をおきやすくなるのではないでしょうか。

平常心と言いますが、フラットな感情状態でいることが当たり前、というわけでは必ずしもありません。学生相談所でも、山あり谷あり波ありの自分とのつきあい方を、一緒に考えたり試してみたりできます。お気軽にご利用下さい。