こんにちは。カウンセラーの川崎です。春風吹く穏やかな季節になってきました。
みなさんは日頃、風について考えたり感じたりしますか。私は、風の強い日に「今日風強いなー。」と考えるくらいで、さほど風について考えたりはしません。
しかし、風の影響が大きいスポーツをしているときは、具体的にいうと自転車に乗っているときは別です。私のようにのらくらと自転車に乗っている者でさえ、自転車中の向かい風は大事です。ずっと上り坂になっているような感じさえします。先日の風の強い日にいたっては、このまま止まるんじゃないかとさえ思いました。
ところが面白いことに、追い風のとき、あまり風について考えません。「今日はスピードでやすい。調子がいいな」とか考えています。
社会心理学者Weinerの原因帰属理論によると、原因帰属を分類する一つの次元として、統制の所在が内的か外的かというものがあります。自転車の調子がいいときに、「今日の俺は調子がいい」とか「俺には自転車の才がある」と自分に原因を求めるのが内的、「今日は追い風だから」と環境に原因を求めるのが外的です。反対に調子が悪い時に、「俺はなんてだめだめなんだ。さぼりすぎなんだ」と思うのが内的、「今日は向かい風だしね」と思うのが外的です。
さて、先の私の考えは、自転車に乗っている日は休日であることが多いということもあり、健康的な思考となっています。調子がよかったら自分のおかげ、調子が悪かったら環境のせいとしています。もちろん、日常において、逆パターンになっていることもしばしばあります。うまくいったらたまたま、うまくいかなかったら自分の能力や努力不足、そんなふうに考えることもあります。これは落ち込む考え方です。
しかしどうだろう。うまくいっていないときに、少しだけ原因帰属を外的にもっていく、環境のせいにしてみると、心が少し晴れるかもしれません。今日うまくいかなかったのは、向かい風のせいだから。そういうふうに思ってみるのもたまにはいいでしょう。
実際に向かい風が強くてたまらない時期もあるかもしれません。そういうときには、じっとするのもいいと思います。向かい風にも強弱があり、強い向かい風が弱い向かい風になるときを待ってみるのもいいはずです。
学生相談所は、自分の思考のクセを考える場を提供してみたり、風の按配を一緒に確かめてみたり、風を(団扇程度かもしれませんが)扇いだりいたします。
いつでもお気軽にご利用ください。