年末が近づいてきました。卒論や修論など大切な締切を抱えている皆さんの中には、やるべきことは分かっているのになかなか手がつけられなかったり、時間をうまく使えなかったりする人もいらっしゃるでしょうか。
学生相談所では2022年度に「先延ばしを克服する!」というワークショップを実施しました。
動画のアーカイブは今もこちらでご覧いただけます。いずれの動画も30分程度です。
基本コース
実践コース
※視聴には東大アカウントが必要です。
これらのワークショップにじっくり取り組むことが難しい人のために、今回のコラムでは時間とタスクの管理をサポートしてくれるアプリをいくつか紹介します。
TickTick
Mac、Windows、iOS、Androidなど様々な環境で使える有名なアプリです。タスクを整理するための様々な切り口が用意されていること、タスクを右クリックするだけで「Pomo」という集中タイマーにシームレスに移行できる点がおすすめです。
時間管理が苦手な方の中には、タスクの優先順位付け、時間の見積もりなどに苦労される方も多いと思いますが、TickTickは緊急度と重要度でタスクを4象限に整理するためのマトリクス、優先順位別のフラグ、柔軟な締切設定などいろいろな切り口でタスク整理を手伝ってくれます。タスクを書き出すことはできるけれど、その後どうしてよいかわからない人、タスク整理で挫折しやすい人におすすめです。
Tiimo
ニューロダイバーシティを尊重する姿勢を前面に打ち出しており、創業者自身がADHDや失語症の特性を公表しています。視覚的な情報提供、細かいリマインド、TickTick同様にタスク設定からシームレスに集中モードに移行できるUIはとてもよく考えられています。さらに、AIがタスクを自動的に小分けにしてくれる機能が出色です。たとえば「コラムを書く」と入力すると、「トピックを選ぶ」「目次を書く」「コラムで訴えたいメッセージを決める」等、具体的な作業をリスト化してくれます。目標が「論文を書く」等ざっくりとした内容どまりになってしまい、具体的な行動がイメージしづらい人におすすめです。
惜しむらくは現在AIによるリスト化やeラーニング教材が英語機能のみの提供であることです。現状でも日本語で大半の機能を使用できますが、個人的には完全日本語化が待ち遠しいアプリです。
※なお、タスクを小分けにするだけならば、日本語が通るMagic ToDo もおすすめです。
Structured
(全画面で動画が流れますので音声に注意してください)
「時間割があればその通りに動けるのに」という人はいませんか。このアプリで一日の流れを自分であらかじめ決めておくとウィジェット上で「残り何分で次のタスクへ」などと表示してくれるので、計画通りに行動し、スキマ時間を無駄にしないように助けてくれます。同様のリマインダ機能を持つアプリは他にもあるのですが、なぜかこのアプリは無理なく次の行動を引き出してくれる気がします。
たとえば午後からアルバイトが入っている日に午前中の空き時間をダラダラと過ごして無駄にしてしまう、というような人にはおすすめです。
機能はシンプルで複雑なタスク管理には向いていませんが、その分とっつきやすく、またUIもクリーンで使っていて気持ちがよいアプリです。
単にタスク管理をしたいだけならばすでにiOSやAndroidの純正アプリも最低限の機能を備えていますし、タスク管理だけに特化した有名アプリは他にもあります。
今回挙げたものに共通するのは、自然に行動を引き出すためのデザインが考え抜かれているところです。そもそもタスクを洗い出したり、順位付けや時間見積もりをしたりすることが負担になる人、タスクを洗い出すことだけでいっぱいいっぱいになり実際の行動に移れない人、せっかくタスクに取り組んでも適度なところで切り上げたりバランスよく時間を使うのが苦手な人などに特におすすめです。
大切なのはタスクを管理することではなく、皆さんが達成したい目標に向かって実際に行動することです。これらのアプリが皆さんの行動を助けるためのささやかなヒントになるといいなと思っています。
いずれもフル機能を使用する場合は有料になりますが、試用期間が設けられているので相性がよいものを見つけてみてください。