感情の境界線

2016.02.12

こんにちは、カウンセラーの慶野です。学生相談所は17時に閉まるのですが、お正月頃は閉室時にはすっかり真っ暗だったのに、最近はちょっと明るくて、だんだん日が長くなってきているのを感じます。

今回は、「感情の境界線」について書いてみようかと思います。
人間関係において、自分と他者は別の人間だし、自分の感情は自分のもの、他者の感情は他者のものです。・・・当たり前のことのように聞こえますよね。でも、私たちには相手の気持ちを推測したり共感する能力があるから、この境界線がしばしば曖昧になってしまうのです。

たとえば、人から頼まれた仕事を断りたいけど、「相手が嫌な気分になるんじゃないかな?」「できないやつだと思われるんじゃないかな?」と考えて、断れない。このとき、相手がどう感じるかを、自分が何とかしなくてはいけない、自分の問題だと受け取っていると言えるでしょう。一方、同じ部屋に大声で話している人がいて、イライラして勉強に集中できないとき、「あの人のせいで勉強できない」と考える。これは、イライラという自分の感情を、相手が解決すべき問題と思っているとも考えられます。
相手が親しい友人や恋人、家族だったりすると、なおさら境界線は曖昧になりがちです。お互いのことをよく知っている(と期待する)分、「相手はこう思うに違いない」とか、「わかってくれてもいいのに」という気持ちが生じるからです。

こういう状態になると、解決の糸口を見つけにくく感じるのではないかと思います。仕事を断ったときに相手がどう感じるのか、断る前に知ることはできませんし、うるさいなあと思っていても、黙っていては相手は自分がイライラしていると気づいてはくれないからです。自分の感情と相手の感情、相手の問題と自分の問題の境界線を意識することで、自分にできることが何なのか、整理しやすくなります。「今回は断るけど、別のところで役に立ちたいと伝えよう」でも、「相手との円滑な関係が大事だから断らない」でも、答えはその人それぞれです。相手の振る舞いを自分の都合よく変えることはできませんが、「静かにして」と頼んでみることも、耳栓をしながら勉強することも、別の静かな場所を探すことも、自分の振るまい方は自分で選んでよいのです。たとえ取る行動が同じでも、自分で決めたことだと思えると、少しはストレスの感じ方が違うのではないでしょうか。

ちなみに偉そうなことを書いていますが、私も家族や友人に対して、「なんでわかってくれないんだろう!」と、自分の感情を相手に押しつけて腹を立ててしまうことがあります。私にとって、今回のコラムを書くことは、自分の境界線を意識する機会にもなっているわけです。
書くのも有効だし、話すことで整理できる場合もあります。よかったら、学生相談所へも来てみてくださいね。