2008年4月、学生相談所(本郷・柏)は新しく生まれた「学生相談ネットワーク本部」に所属することになりました。 この本部には、他にも、「何でも相談コーナー」「精神保健支援室」「企画室」が所属し、他の学内相談機関等と連携を深めています。このようなシステムは、学生の皆さんのQOLを高めたいという願いに基づいて創造されました。
ご存じかもしれませんが、近年、本学をはじめ、多くの大学において、学生相談機関を訪れる学生数、ならびに、相談回数が急激に増加しています。この背景には、進路選択の迷いや対人関係の葛藤、研究意欲や生きる意欲の喪失などの心理的問題について、専門家によるカウンセリングを受けながら取り組んでいくということが、けっして恥ずかしいことではなく、むしろ、学生に与えられた当然の権利であるといった認識の広がりがあるように思われます。また、ここ数十年の間に、大学においても競争原理や市場原理が支配的になり、研究室や部局内部でも、全人的・恒久的つながり、あるいは、共同体感覚が失われがちになり、心理的問題に苦しむ人々が増加しているのかもしれません。
いずれにせよ、外的環境がいかに困難に満ちていても、内なる世界を探究し表現することを通して、希望の光を見出していくことは可能だと信じます。われわれカウンセラーは、いわば、ディープ・リスニングを通して、そのお手伝いをしたいと思っているのです。些細な問題だと思えることでも、いっこうにかまいません。まずは、お電話下さい。