臨床研究のお知らせ 2018年3月

2018.03.12
コミュニケーション・サポートルーム

研究課題

「発達障害の性質がある大学生の予後調査」

研究責任者

渡辺慶一郎(東京大学学生相談ネットワーク本部)

本研究の目的

この研究の目的は、発達障害の性質がある大学生の卒業後の社会適応を、その性質がない大学生と比較して明らかにすることです。過去に実施された長期予後の研究では、大学を卒業することのできる能力を持った方を集中的に調べたものは殆ど無く、大学での支援のあり方についても卒業後の社会生活に関する客観的なデータを用いたものではありませんでした。本研究はパイロットスタディですが、将来的にはより適切な支援を構成する基礎資料となることが期待できます。

研究の方法

初回は対面での心理検査(WAIS-Ⅲ)と基礎情報(大学生活での留年や休学の有無など)の聞き取りをさせて頂きます。加えて、初回と卒業後1年目と3年目には自己記入式の質問紙(AQ日本語版、ASRS v1.1、K10、WHOQOL26)にお答え頂きます。初回の面接や検査にはおよそ120分程度、フォローアップ時の回答には30分程度を要します。データは個人が特定されないよう数値化して統計的に処理します。

研究の期間

2018年3月1日から2023年2月末まで

個人情報の取り扱い

個人情報の保護、プライバシーの尊重に努力し最大限の注意を払います。得られたデータは、氏名・住所・生年月日など個人が識別され得る情報を取り除き、どなたのものか分からないよう匿名化した上で解析します。その結果に意義があれば、学会や論文誌等で発表する予定です。

研究参加への同意

この研究にご協力いただくかどうかは、あなたの自由意思に委ねられています。事前に書面でご説明差し上げますが、一旦同意された後でも撤回することが出来ます(ただし、解析結果として既に公開されたデータにつきましては、同意を撤回された場合においても破棄することができませんのでご理解下さい)。

研究参加に際しての利益と不利益

この研究が、個々の皆様に即座に有益な情報をもたらす可能性は、現在のところ低いと考えられます。また、ご協力いただけないことで、皆様の不利益に繋がることは一切ありません。

その他

この研究は、東京大学倫理審査専門委員会の承認を受けて実施するものです。また、研究中に得られたデータで精神医学的な診断をご本人に付与するものではありません。なお、この研究に関する費用は、東京大学の運営費と全国大学メンタルヘルス研究会から支出されています。ご意見、ご質問などがございましたら、下記までお寄せください。

お問い合わせ先

渡辺慶一郎
東京大学学生相談ネットワーク本部
〒113-0033 東京都文京区本郷7-3-1
Tel: 03-5841-0839
(コミュニケーション・サポートルーム)
E-mail: wwatanabe-tky■umin.ac.jp
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