『一つぶよ』

一つぶよ

まど・みちお

ぼくらの まえへと つづき
そして うしろへと つづく
えいえんの じかん

ぼくらの そとがわへと ひろがり
そして うちがわへと ちぢまる
むげんの うちゅう

きりがない はてがない さいげんがない
どこまでも どこまでも どこまでも
の なかの ぼくらよ 一つぶよ

と おもうことだけは でき
それだけしか できないのだとしても
その それだけよ 一つぶよ!

―まど・みちお『いわずにおれない』より―

(新年度の始まりに、まど・みちおさんの詩のご紹介を 大塚)