学生相談所

こんにちは。カウンセラーの大塚です。今年の夏は雨ばかりで、妙な天気が続きますね。こう天気が悪いと気分も晴れないという方も多いかと思います。「つらい」「きつい」「だるい」。心模様を表す言葉は色々ありますが、最近「しんどい」という表現を耳にするようになってきたように感じます(あくまで個人的な印象ですが…)。ちょっと気になったので辞書をひくと、〔「しんど」の形容詞化。主に関西地方で用いる。骨が折れる。つらい。くたびれる〕(大辞林)とあります。また、全国大阪弁普及協会なるところによると、〔「心労」「辛労」が転じた「しんど」の形容詞化。疲労を表す。畿内京阪の最新の語で、中国、四国、中京で「えらい」、伊勢、東東海、西関東で「かいだるい」「かったるい」、関東で「つかれる」、中国、西関東、信越、西奥羽で「くたびれる」、東関東、東奥羽、北海道で「こわい」、西九州「きつか」、土佐、東南九州で「だれる」で、上方から遠いほど古くなる。しんどいの用法は数多い〕とのこと。どうやら「しんどい」という語には身体面での疲れや辛さが含まれているようです。

そんなことを考えていたら、ふと数年前に読んだ「からだことば」(立川昭二著)という本の一部を思い出しました。それは、怒るという状態の表現が時代とともに変化し、特に身体の部分で変わってきているというものです。時代とともに、「腹が立つ」→「むかつく」(胸)→「頭にくる」と徐々に頭の方に上がっていき、とうとう数年前には「キレる」と身体性を伴わなくなったというユニークな指摘です。

近年、若い人の間でも「○○が辛い」「××で苦しい」と悩みや苦しみを具体化できず、漠然と心身の不調を訴える人が増えてきているという指摘もあります。何に悩んでいて体がどう苦しいかは自分でもよく分からないけど、漠然と「しんどい」「つらい」。そんな訴えを学生さんからもよく耳にします。「しんどい」という言葉は、そんな現代的な心身の疲労を表す便利な表現なのかもしれないですね。関西弁の表現力、恐るべし。

「なんだか分からないけどしんどい…」。そんな時は、たまには自分の身体が何を訴えて、何を求めているのか、その声に従ってみるのも一つかもしれません。